CSS Nite in Nagoya,Vol7 「著作権だがや。」~事例から学ぶ権利のはなし~に参加して、著作権についての知っておくべき内容をまとめました。
1:著作物にあたるもの
文芸、学術、美術、音楽の範囲に属するものであり、思想・感情を創作的に表現したもの。
「思想・感情を創作的に」というところが重要かと思います。
例えば、HTMLのソースやプログラムなんかは、世の中に溢れているものが多く、著作物になるのかどうかが曖昧になりますが、
判断として「創作的かどうか」つまりオリジナリティー高いものであれば著作物といえるのではないかと思います。
また、思想という部分ですが、
単なる事実を記事にしているものは著作物とは言えないと思いますし、すでに誰かが考え、一般化していることをビジネスモデルとして著作物として主張しても通らないでしょう。
では、企画書は?
これこそ、「創作的かどうか」が判断基準になるかと思います。アイデアだけでは著作物とは言えませんが、アイデアを形にした企画書は著作物になりえます。
「Webサイトの企画で、自分が手がけたサイトとよく似たサイトが後からできた」
このような場合は、よく似たサイト管理者に対して、
著作権侵害だーと主張して、それが裁判でどう判決されるのかのポイントは、
- 自分が手がけたサイトが先に構築しているという証明があるか
- 自分が考えた企画が著作物として独自性が高いどうか
という点がポイントだと思います。
先に著作物として証明書を取っておく(文化庁の
著作権登録制度を利用する、著作権の確定日付をもらう公証役場にて。文化庁の著作権登録制度を利用する方が、より法的に公式性がある)とより裁判では有利になるでしょう。
実際の仕事では、優れたサイトからアイデアを参考にして、取り入れたりなどは普通にしているので、よく似たサイトがたくさんできるわけで、もし真似られたとしても業界としての切磋琢磨だと思って気にしないことが多いと思います。
しかし、サイトのコードから内容から、全てをコピーしてデザインだけ変えてあるなんてサイトができた場合は問題なので、フィッシング、著作権侵害を主張すべきかと思います。
まずは、行政書士の方に相談するのが賢明ですね。
セミナーでさまざまな事例を紹介してくれまして、前回の記事に掲載していますので、参考にしてください。
CSS Nite in Nagoya,Vol7 「著作権だがや。」~事例から学ぶ権利のはなし~
2:著作権とは
著作権 = 著作者人格権 + 著作財産権
著作権は、著作人格権と著作財産権の2つに分類できます。
著作物を創作したヒトを著作者といい、日本では無方式主義を採用しており、著作者は著作物を創作すればすぐに、いかなる手続きを経ることもなく著作者人格権と著作財産権を取得するということになっています。
著作者人格権は譲渡できません。しかし、著作財産権は譲渡が可能です。
譲渡によって著作権を得た者を
著作権者と呼んで
著作者と区別します。
通常、著作者=著作権者ですが、著作財産権は譲渡可能であり、譲渡した場合は、著作物の著作者ではあるが、著作権者ではないということがあります。
著作人格権とは、著作者がその著作物に対して有する人格的利益(名誉・名声など)を守る権利のことで、
著作財産権とは、著作物から得られる財産的利益を守る権利のことです。著作財産権の中には、「翻訳権」「公衆送信権」「貸与権」「複製権」などがあります。
知っておくべき著作権関連の知識として、下記に用語をまとめておきました。
共同著作物
複数のヒトと協力して(共同で)創作した場合、その著作物を共同著作物といいます。
共同著作物の場合は、著作権は共有となりそれぞれ持ち分を有します。著作権の譲渡する場合は、他の共有者の同意がなければ譲渡できなかったり、制約されたりします。
肖像権
自分の姿や顔などを承諾なしに公表されたりしない権利のことで、プライバシーの権利の一つです。正当な理由なく、承諾なしに人物写真をWebで公開した場合、この肖像権を侵害していることになりますので、仕事だけでなくプライベートにおいても、注意しておくべきでしょう。
肖像権に該当するのは、人間の顔や姿かたちとなっております。とくにその写真や映像をみて人物が特定できるような制作物を作る際には、注意が必要です。
引用
他の人が記述した内容を自分の文章の中に用いることです。
公正な慣行に合致すること,引用の目的上,正当な範囲内で行われることを条件とし,自分の著作物に他人の著作物を引用して利用することができる
文化庁(著作権制度に関する情報の著作物が自由に使える場合のページ)アクセス日:2012年1月29日
引用にはルールがありまして、
- 引用を行う「必然性」
- 本文と比べ、引用部分が従属しているという「主従関係」(引用内容がその文章の中心で構成されている、引用だけで記事や文章が成り立っているような場合はNG。転載になるでしょう)
- 引用部分とそれ以外の部分の「明確な区別」
- 引用元の著作者名など「出典の明示」
といったルールに基づいて引用を用いいなければなりません。
ブログなどで引用を掲載する場合は、
著者名「ヘッダ名(ページのタイトル)」URL(引用者自身の最新アクセス日、西暦)
と明記すべきでしょう。
転載
記事や写真などの著作物を複製して、その複製を制作物の「主」の部分として、オリジナルのものとは別に公開したりすることです。
著作権を有しない場合、保持者に無断で転載をすると違法行為にあたるので注意が必要です。
著作権を学ぶための関連サイトの紹介
文化庁:
http://www.bunka.go.jp
(社)著作権情報センター:
http://www.cric.or.jp/
著作権について考えてみよう!:
http://manner.dnaver.client.jp/